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短刀 備州長船住景光
(びしゅうおさふねかげみつ)
嘉暦二年三月日(一三二七)
Tanto:Bishu Osafune Kagemitsu
古刀・備前 鎌倉末期 最上作 拵え付き
第六十二回重要刀剣指定品(平成二十八年)(二〇一六)
刃長:25.1(八寸三分弱) 反り:なし 元幅:2.36 元重ね:0.61 穴1
平造り、三つ棟尋常。 表は三鈷柄付き剣、裏は腰樋をハバキ下で掻き流す。 鍛え、小板目肌良く詰み、所々流れて肌立ち、地沸微塵に厚く付き、刃区より棒映り判然と立ち、地鉄精良。 刃文、小互の目乱れ主体で、片落ち互の目、角互の目を交え、刃縁匂い勝ちでやや沈み心に締まり、刃中小足良く入る。 帽子、湾れ調で先小丸風に返る。 茎生ぶ、先浅い栗尻、鑢勝手下がり。 銅に銀着せ二重ハバキ(被せ部分は金着せ)。 時代最上研磨。 白鞘入り。
小さ刀拵え(近代作 全長43.5 鞘 黒の呂鞘 小柄、赤銅魚子地高彫色絵、裏哺金、牡丹獅子図 下げ緒若草色 柄 親鮫に黒柄巻き 縁頭、赤銅魚子地高彫色絵 牡丹獅子図 目貫、金地容彫、獅子図 鍔 赤銅研磨地、長丸形、無文)付き。
【コメント】
長船景光の重要刀剣短刀、貴重な生ぶ在銘年紀入り、片落ち互の目交じりの典型刃、最上の備前鍛えに鮮明な棒映りなど、鎌倉末葉に於ける備前物及び短刀の見所が、存分に示された名品です。
景光は、長光の子で、左兵衛尉と称し、父の後を継ぎ、長船派の三代目を継承、片落ち互の目刃を完成させたことでも名高く、国宝太刀『名物小龍景光』、国宝短刀『名物謙信景光』など国宝三口、重要文化財十三口、重要美術品二十口を数える長船派の筆頭鍛冶です。
活躍期は、鎌倉末期の嘉元(一三〇三~六)から南北朝最初期の建武(一三三四~三六)頃までとされています。
作風は、長光の前期作程華やかな作は僅少で、直刃調の穏やかな刃取りに、小模様の丁子、互の目を交える出来が多く、短刀には前述した片落ち互の目、角張った互の目が逆心となった鋸(のこぎり)状の刃が見られます。景光の刃には、基本的に逆心あるのが見所で、鍛えの精良さに於いては長光を凌ぐものがあります。
また祖父光忠には皆無、父長光にも僅か数口しか残されていない短刀が多く残されており、山城の粟田口藤四郎吉光、来国俊、相州の新藤五国光らと並び称される短刀の名人です。
銘は太刀、短刀共に『備前国長船住左兵衛尉景光』、『備州長船住景光』、『備前国長船景光』など長銘が多く、二字銘は僅少です。
本作は、景光の貴重な在銘年紀入り短刀、平成二十八年(二〇一六)、第六十二回の重要刀剣指定品です。
寸法八寸三分弱、ほぼ反りなし、重ね厚め、振り袖形の茎等々、鎌倉末葉の典型的な短刀スタイルを示しています。
小板目肌良く詰んだ精良な地鉄は、所々流れて肌立ち、地沸微塵に厚く付き、刃区より棒映り立ち、小互の目乱れ主体の刃文は、片落ち互の目、角互の目を交え、刃縁匂い勝ちでやや沈み心に締まり、刃中小足良く入るなど、在銘品ながら、刃は総体的に健全で、染みる様な箇所はありません。
刃区より棒映りが判然と立ち、刃縁をかすめるように切っ先手前で棟側へ抜ける様は、国宝名物短刀『謙信景光』を彷彿とさせるものがあります。
表裏にある三鈷柄付剣と腰樋は、同工の短刀にまま見られる典型的なものです。
図譜には、『この短刀は、景光ならではの鍛えの良さ、典型的な刃形を示しており、加えて嘉暦年紀も貴重である。』とあります。
本誌でも、景光の在銘年紀入り重要短刀は初掲載、姿、出来、茎、銘振り、年紀、彫り物等々、見所満載です。
備前長船鍛冶の最高峰、短刀の名手、長船景光の在銘年紀入り典型作、これを逃すと、大変なことになります。
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