鍔:千網図
Tsuba:Chiami Zu
江戸中期
無銘加賀金工として特別保存刀装具鑑定書付き
縦70.5mm 横67.6mm 厚4.2mm 重119g
【コメント】
赤銅魚子地 竪丸形 鋤出彫色絵 縄目覆輪耳
江戸前期、加賀藩では前田家二代利常が百万石の財力を美術品蒐集や美術品制作に力を注いだことにより、多くの職人が加賀に来住し、加賀百万石の華やかな工芸文化を作り出されています。
後藤家の覚乗、顕乗、程乗を厚遇したことにより、その一門も多く加賀に来住し後藤流の作風も華やかさを増して花開いています。
この鍔もその一つ、後藤家で培われた伝統と格式の影響を受けながらも、どこか自由で伸びやかさと華やかさを感じさせます。
緻密な赤銅魚子地に配された何気ない日常の干し網を丁寧に彫上げて、美しい芸術品に仕上げています。鮮やかな金象嵌と黒々とした赤銅の対比は見事です。
加賀金工は殆どが抱工であったことから、在銘の作は少ないものの、加賀友禅の着物のように、趣向を凝らした華やかな美しさは、後藤一門、京金工にも負けない見事さです。
傷みなく完品
専用桐箱入り