鍔:花籠透図
銘・行年六十三才 堀江興成(花押)
Tsuba:Hanakago Sukashi Zu
江戸中期
特別保存刀装具鑑定書付き
縦74.3mm 横67.1mm 厚5mm 重116g
【コメント】
赤銅地竪丸形 肉彫地透 丸耳
堀江興成は、十五歳で浜野政髄に入門、二十歳で大森英秀に学んだ優工です。
その後独立し堀江興成と名乗り、阿波蜂須賀家二十五万国の抱工となり、八丁堀の阿波家藩邸内で藩の仕事をしていたと伝えています。
六十一歳から七十六歳までの作には、制作時の年齢が加刻されており、特徴ある草書体で銘されています。
この鍔は行年六十三歳と、美しい草書体で銘されています。
黒々とした赤銅地を中高に作り込み、籠いっぱいに入れられた菊の花を見事に描いています。
花籠、菊花、葉の一枚一枚までも、手を抜くことなく実に丁寧に彫られ、興成の技量の高さに感嘆させられます。
切羽台に至るまで傷みなく往時のまま、完品です。
専用桐箱入り