太刀 小烏丸 陸奥住人国廣
(むつじゅうにんくにひろ)
平成元年一月吉日(平成元年)(一九八九)
Tachi:Mutsujunin Kunihiro
現代・青森
刃長:70.4(二尺三寸二分強) 反り:1.8 元幅:3.32 元重ね:0.83 穴1
小烏丸(切っ先両刃)造り、鎬高め庵棟低い。 表裏共に鎬樋、薙刀樋をハバキ下で掻き流す。 鍛え、小板目に板目、杢目を交えて詰み、所々細かに肌立ち、地沸微塵に厚く付き、細かな地景繁く入り、地鉄良好。 刃文、直湾れ調で小互の目交じり、刃縁小沸良く付いて細かなほつれ、打ちのけ、二重刃掛かり、刃中葉、小足入り、金筋、砂流し頻りに掛かる。 帽子、直調で沸付き、先焼き詰める。 茎生ぶ、先栗尻、鑢筋違い。 銀ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
【コメント】
国廣は、中畑貢と言い、昭和十六年生まれ、近年では、『田んぼアート』で有名な、青森県南津軽郡田舎館(いなかだて)村に工房を構える刀匠で、同郷の名工、無鑑査二唐(にがら)国俊門人です。五ヶ伝を巧みにこなし、古名刀の写し物も得意とします。
本作は、同工四十八歳の頃の作、茎に『小烏丸』と刻まれていることからも分かるように、かの有名な御物『名物小烏丸』の写しです。
本歌は平安前期頃、天国の作と伝わり、平家重代の家宝と受け継がれた一振り、現在は御物(皇室の私有品)となっています。
寸法二尺三寸九分強、身幅、重ねガシッとした造り込み、細かな地景がうねるような地鉄、刃縁に細かなほつれ、打ちのけ、二重刃掛かり、刃中金筋、砂流し頻りに掛かるなど、地刃共に沸が良く働いています。
『名物小烏丸』の写し物は、大変人気がありますが頻繁には出ませんので、この機会に是非。