短刀 備前国住長船祐定作
(びぜんのくにじゅうおさふねすけさださく)
天正五年八月吉日(一五七七)
Tanto:Bizennokuniju Osafune Sukesada
古刀・備前 安土桃山期 拵え付き
保存刀剣鑑定書付き
刃長:28.1(九寸三分弱) 反り:僅か 元幅:2.47 元重ね:0.80 穴1
平造り、庵棟低め。 鍛え、板目に杢目交じり、所々大模様に肌立ち、地色やや黒み勝ち、地沸厚く付き、地鉄良好。 刃文、広直刃調で、刃縁小沸付いてやや沈み勝ちに締まり、刃中小足、葉入る。 帽子、直調で良く沸付き、先僅かに掃き掛け返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢勝手下り。 銅に金着せハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
小さ刀拵え(江戸後期 全長47 鞘 茶石目鞘 こじり、鉄地無文 栗型、鯉口黒塗 小柄、鉄地鋤出し彫色絵、山水図 下げ緒、鶯と鉄紺の蛸足唐組 柄 鮫に平麻柄巻 縁頭、鉄地無文 目貫、素銅地容彫色絵、菊花図 鍔 鉄地喰出形、無文)付き。
【コメント】
本作は天正五年(一五七七)作、戦国最末期の末備前祐定短刀、にわかには個銘まで極め難いですが、年紀からして藤四郎、七郎衛門尉、彦左衛門尉辺りと同時代の祐定と鑑せられます。
寸法九寸三分弱、刃縁の締まった典型的な末備前広直刃で、少し地に鍛え肌も出ますが、研ぎ減りは最小限で地刃健全、重ねガシッとした造り込みの真面目な短刀、江戸期の渋い小さ刀拵え付属で楽しめます。