脇差し (菊紋)雷除伊賀守藤原金道(五代)
(きくもんかみなりよけいがのかみふじわらのきんみち)
Wakizashi:Kikumon Kaminariyoke Iganokami Fujiwarano Kinmichi
日本鍛冶宗匠 新刀・山城 江戸中期 拵え付き 木箱付き
保存刀剣鑑定書付き
刃長:39.4(一尺三寸) 反り:0.8 元幅:2.33
先幅:1.62 元重ね:0.47 先重ね:0.37 穴1
鎬造り、鎬庵棟尋常。 鍛え、板目流れ心に肌立ち、地沸厚く付いて、地鉄良好。 刃文、矢筈風の互の目乱れを腰開き気味に焼き、金筋、砂流し掛かり、匂い口明るい。 帽子、直調で大丸風に返る。 茎生ぶ、先入山形、鑢浅い勝手下がり。 銅に銀着せハバキ(表裏に虎を施す)。 研ぎ上がり。 白鞘入り。 木箱付き。
脇差拵え(現代作 全長59センチ 鞘 茶金梨地鞘に菱紋金蒔絵 こじり、責金、栗型、鯉口、縁頭、全て銀に槌目地金象嵌の同作 下げ緒朱色 柄 鮫に黄土色蛇腹巻き 目貫、銀地容彫金象嵌菊花図 鍔 赤銅石目地木瓜形、金覆輪)付き。
【コメント】
伊賀守金道家は、初代が三品四兄弟の長兄で、後に朝廷より『菊紋』、『日本鍛冶惣匠』の免状、『雷除』の号を賜りました。特に『日本鍛冶宗匠』の免状は、全国の鍛冶職に就く者全てが、金道家の配下であることを認めさせる特権と地位を与えた証です。ただ実際に茎に『菊紋』と『日本鍛冶宗匠』と斬るのは二代から、『雷除』は五代からになります。
本工は、鑑定書にもあるように五代目金道で、江戸中期宝暦(一七五一~六四年) 頃を活躍期としていますが、現存作はまず見ません。
寸法一尺三寸、稚児差し風の小脇差し、矢筈風の互の目乱れを腰開き気味に焼いており、刃中金筋、砂流しが掛かった明るい刃です。
『菊紋』、『雷除』、『日本鍛冶宗匠』を切り添えた銘振りは貴重、地刃健全で大きな疵なく、研ぎ上がりで地刃も良く冴えています。
付属の外装は、茶金梨地鞘に菱紋金蒔絵を施し、金具類も一作物、現代物ながら、お洒落に決まっており、専用木箱に入っています。