脇差し 大和国住人貞吉作
八月日
Wakizashi:Yamatonokunijunin Sadayosi
古刀 南北朝末期~室町初期
刃長:30.2(一寸弱) 反り:0.3 元幅:2.70 元重ね:0.59 穴1
平造り、庵棟低い。 表に護摩箸、裏に二筋樋をハバキ下で掻き流す。 鍛え、波状の柾肌が肌立ち気味に流れ、地沸厚く付き、地斑状の沸映り立ち、地鉄良好。 刃文、細直刃湾れ調で、刃縁の沸匂い深く付き潤み勝ちに明るく、ほつれ、打ちのけ掛かる。 帽子、細直刃調で先掃き掛け返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢浅い勝手下がり。 銅に赤銅着せハバキ。 時代研磨(裏は全体に曇り有り)。 白鞘入り。
【コメント】
本作の銘はダメでしょうが、身幅の割に寸の延びたスタイル、地刃の雰囲気からして南北朝末期~室町初期頃の作かと思います。保昌柾目に比して、やや野趣のある柾肌、刃縁の潤んだ感じ、ほつれ、打ちのけからすれば古波平辺りでしょうか。研ぎ減り、鍛え肌、地刃の曇りもありますが、中々渋い玄人好みの作です。