脇差 鬼塚吉国
Wakizashi:Onizuka Yoshikuni
新刀・筑後 江戸前期
刃長:49.8(一尺六寸四分強) 反り:1.4 元幅:2.97
先幅:2.03 元重ね:0.67 先重ね:0.46 穴1
鎬造り、鎬高く庵棟尋常。 鍛え、小板目に板目、柾流れ交じって上品に肌立ち、地景良く入り、地沸厚く付き、地鉄概ね良好。 刃文、直湾れ調で、ほつれを僅かに交え、刃縁沸匂い深く明るく、飛び焼き交じる。 帽子、湾れ調で沸付き、先掃き掛け返る。 茎生ぶ、先浅い栗尻、鑢不明。 銀ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
【コメント】
鬼塚吉国は、現在の福島県東白川郡棚倉町(たなぐらまち)に生まれ、後に筑後柳川に移住、『島原の乱』では、その凄まじい斬れ味が知れ渡り、一躍業物鍛冶として有名になりました。本作は、裏の地に鍛え肌が出ている点、茎が荒れている点が残念ですが、銘は問題なく、地刃もしっかりしていますので、保存鑑定は付くでしょう。鬼塚吉国の真面目な作です。