刀 (太刀銘)近江守継平(二代)
(裏に)(丸に算木紋)
(おうみのかみつぐひら)
Katana:Ouminokami Tsuguhira
新刀・武蔵 江戸前期 業物
保存刀剣鑑定書付き
刃長:74.3(二尺四寸五分強) 反り:1.7 元幅:3.18
先幅:1.96 元重ね:0.84 先重ね:0.58 穴1
鎬造り、鎬高め庵棟低め、中切っ先やや詰まる。 鍛え、小板目に流れ肌を交えてやや沈み勝ちに詰み、所々肌立ち、地沸厚く付き、地景繁く入り、地鉄良好。 刃文、直湾れ調で、刃縁荒沸付いて匂い深く明るく冴え、ほつれ、二重刃風の湯走り掛かり、刃中葉、小互の目足入り、繊細な金筋、砂流し掛かる。 帽子、直調で焼き深く、先小丸風に返る。 茎生ぶ、先刃上がりの入山形、鑢切り。 銅ハバキ(丸に算木紋入り)。 時代研磨(小サビ有り)。 白鞘入り。
【コメント】
近江守継平は、いわゆる越前下坂一派の代表工、銘鑑等では、同銘が数代に渡り、初代が三代康継門人で寛文頃、二代が元禄頃、三代が享保頃、四代が安永頃としています。
本工は、鑑定書にも但し書きがあるように二代継平、藤田与右衛門と言い、武州神田で鍛刀しました。
本作は、寸法二尺四寸五分強、直湾れ調の刃は、刃縁荒沸付いて匂い深く明るく冴え、ほつれ、二重刃風の湯走り掛かるなど、地刃健やかで、刃縁が良く働いており、大きな欠点もありませんので、特別保存までは大丈夫でしょう。
茎裏とハバキには、『丸に算木(さんぎ)紋』が刻されていることから、この家紋を定紋とする家系で、先祖代々受け継がれてきた一振りかと思われます。