短刀 □□□正次作之
明治卅□年□月八日
為□□□秋水居士
(えちぜんかねのり)
Tanto:□□□ Masatsugu
現代・東京
日本刀剣保存会鑑定書付き
刃長:22.2(七寸三分強) 反り:僅かに内反り 元幅:2.35 元重ね:0.70 穴1
平造り、庵棟低い。 鍛え、小板目沈み勝ちに詰み、地沸厚く付き、地鉄概ね良好。 刃文、湾れ調で、刃縁良く沸付いて匂い深く、ほつれ、二重刃掛かり、刃中金筋、砂流し掛かる。 帽子、湾れ調で、先小丸風に返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢切り。 銅に銀着せハバキ。 時代研磨(小サビ有り)。 白鞘入り。
【コメント】
本作は、茎の朽ち込みで銘が一部判読出来ませんが、桜井卍正次の作かと思われます。正次は、人間国宝隅谷正峯の師として有名、ただ保存会の極めでは、『国不明』になっていますので、今一度鑑定に出すのが良いでしょう。細かな炭籠もり、表の腰元には彫り物のような痕跡もありますが、疵隠しの後彫りかもしれません。しかしながら、刃縁が良く働いた中々良い刃です。