短刀 兼元
(かねもと)
Tanto:Kanemoto
古刀・美濃 室町最末期
特別保存刀剣鑑定書付き
刃長:29.6(九寸八分弱) 反り:0.2 元幅:2.82 元重ね:0.68 穴2
平造り、庵棟低め。 鍛え、小板目に小杢目を交えて良く詰み、所々流れ心に肌立ち、地沸微塵に厚く付き、白け心があり、地景入り、地鉄良好。 刃文、尖り風の小互の目乱れ主体で、所々三本杉風となり、刃縁小沸付いて明るく締まり気味となり、刃中金筋、砂流し掛かる。 帽子、湾れ込んで地蔵風となり、先僅かに掃き掛け返る。 茎生ぶ、先剣形、鑢勝手下がり。 銅に金着せハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
【コメント】
本作は、その銘振りから、孫六兼元の後代鍛冶による短刀、孫六が活躍した永正から天文以降、天正頃までの間には、その後代に当たる兼元が数人いますので、その頃の作と鑑せられます。
小板目に小杢目を交えて良く詰んだ地鉄は、地沸微塵に厚く付き、三本杉交じりの尖り風小互の目乱れは、刃縁明るく締まり、刃中も良く働いており、本歌孫六兼元を思わせる典型的な出来です。
地に鍛え肌、緩みが少しありますが、鉄質は非常に良く、特別保存鑑定がピシッと付いています。