刀 無銘(伝左国弘)

Katana:Mumei



古刀・筑前 南北朝中期
良業物
第五十二回重要刀剣指定品
探山先生鞘書き有り




刃長:68.9(二尺二寸七分強) 反り:1.7 元幅:3.20
先幅:2.41 元重ね:0.70 先重ね:0.60 穴3




 鎬造り、鎬尋常三ッ棟低め、大切っ先ふくら枯れる。 表裏棒樋を掻き通す。 鍛え、板目に杢目、大板目を交えた地鉄は、地沸厚く付き、所々流れ肌を交え、地には黒い沸粒が点在し、一部凝結して湯走り状を呈し、随所に飛び焼きも交えるなど、地鉄良好。 刃文、湾れに互の目乱れ調の刃取りで、小互の目、小丁子、互の目丁子を交えた焼き刃は、刃沸がすこぶる強く、焼き頭に金筋、砂流しが烈しく掛かって、刃縁はほぼ沸裂け、沸崩れ状を呈しており、匂い口は判然とせず。 帽子、直調で沸付き、先尖り心に掃き掛けて焼き詰め風となる。 茎大磨り上げ、先切り、鑢切り。 銅に金着せハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 筑前国左国弘(無銘)の重要刀剣、左文字門下中、最も覇気溢れる出来を示す同工の秀抜なる一振り、南北朝中期延文貞治型の豪壮な姿を示した名品です。
 南北朝初期、筑前国には『正宗十哲』の一人である左文字が登場して、それまでの古典的な九州物の作風を打破、烈しい相州伝本位の作域を確立、その門弟達も、師風を受け継ぎ大いに栄えました。一門には、安吉、行弘、国弘、吉貞、弘行、弘安、貞吉、吉弘、定行などがおり、これらを総称して『末左』と呼んでいます。
 その作風は、師に良く倣い、湾れに互の目交じりの焼き刃を主調とし、刃中金筋、砂流し掛かり、刃縁にはほつれ、喰い違い刃、沸崩れ、板目に杢目、流れ肌交じりの鍛えが肌立ち、地景が繁く入るなど、地刃の沸の強さが一際目立ち、帽子の先は尖り心となるものを基本とします。造り込みは、身幅の広い、南北朝期特有の力強い姿を示します。
 『末左』の極めに関して、近年の審査では、『末左』のみとはせず、その出来によって差別化をし、出来るだけ個銘を入れる傾向が見られます。例えば、小湾れ、互の目、丁字、尖り刃交じりで、地刃に備前気質が見られるものには安吉、最も盛んに乱れたものには国弘、特に互の目が目立つものには弘安、穏やかな直刃調のものには貞吉などの極めが当てられます。
 本作は大磨り上げ無銘ながら『伝左国弘』と極められた一振り、国弘は吉弘の子とも定行の子とも伝えており、在銘現存作がほとんどありませんが、僅かに正平十二年(一三五七)年紀入りの在銘短刀が残されており、その活躍期を伺い知ることが出来ます。
 寸法二尺二寸七分強、ふくらの枯れた大切っ先で三ッ棟の造り込み、元先身幅のしっかりした南北朝中期の雄壮な太刀姿を示しています。
 湾れに互の目乱れ調の刃取りで、小互の目、小丁子、互の目丁子を交えた焼き刃は、刃沸がすこぶる強く、焼き頭に金筋、砂流しが烈しく掛かって、刃縁はほぼ沸裂け、沸崩れ状を呈しており、匂い口は判然としません。板目に杢目、大板目を交えた地鉄は、地沸厚く付き、所々流れ肌を交え、地にこぼれた刃縁の荒沸は、黒い沸粒となって点在し、一部凝結して湯走り状を呈しています。随所に飛び焼きも交えるなど、覇気に満ち溢れた出来映えを示しています。
 前述のように左一類にあっては国弘が最も華やかな刃を焼きますが、ここまで刃が深いものは見たことがありません。重要図譜には、『左一類の作と鑑せられる中でも、焼き刃が大模様で、放胆な様を表している点から、国弘の極めは妥当であり、大柄な姿と相俟って、覇気溢れており、地刃健体であることも好ましい。』とあり、探山先生鞘書きにも、『同工作中、一段と大出来に乱れ、迫力に富む優品也。』と書いて頂いています。
 左国弘極めとしては白眉の一振り、自身を持ってお薦め致します。
















【売約済】商品番号:V-1700 刀 無銘(伝左国弘) 第五十二回重要刀剣指定品 探山先生鞘書き有り

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