刀 備州長船祐定作
(びしゅうおさふねすけさださく)
元亀二年二月日(一五七一)
Katana:Bishu Osafune Sukesada
古刀・備前 室町最末期 拵え付き
刃長:70.0(二尺三寸一分) 反り:1.5 元幅:3.13
先幅:2.26 元重ね:0.69 先重ね:0.51 穴2
打ち刀拵え(江戸後期 全長98.5 柄長23 鞘 黒に螺鈿散らし変わり塗鞘 下げ緒黒 柄 鮫に黒蛇腹柄巻き 縁頭、赤銅波模様地、高彫色絵、波に蟹の図 目貫、金地容彫、獅子図 鍔 南蛮 鉄地竪丸形金布目象嵌、蝶図)付き。
【コメント】
本作は、元亀二年(一五七一)作、戦国時代最末期の末備前祐定、にわかには個銘まで極め難いですが、年紀からして二代与三左衛門尉、藤四郎、新十郎、源兵衛尉らと同時代の祐定でしょう。
少し磨り上がっていますが、寸法二尺三寸一分、姿はしっかりとしています。
直湾れ調で小互の目、小乱れ交じりの出来は、刀としては量産品の部類で、時代相応の研ぎ減り、鍛え肌もありますが、『船』の字を『舟』、『定』の中を『之』と切るなど、銘振りが何とも個性的で良いです。やや稚拙な銘ですが、逆に専属の銘切り師ではなく、自身銘であることが分かります。勿論銘も問題ありません。
ある意味貴重な祐定です。