大身槍 助長
(すけなが)
Ohmiyari:Sukenaga
古刀・三河 室町後期
特別保存刀剣鑑定書付き
刃長:55.0(一尺八寸二分弱) 茎長:51.0 反り:なし 元幅:2.59 穴2
【コメント】
本作は、助長の大身槍、刃長一尺八寸二分弱、全長で三尺五寸弱あります。
因みに定義として、『刃長が一尺を超えるもの』を大身槍と呼びます。
鑑定書には、『時代室町後期』とあるのみで、国の記載はありませんが、銘振り、出来、雰囲気からして、三河国薬王寺助長ではないかと鑑せられます。
三河国薬王寺一派は、諸説あるものの、日刀保の重要図譜などによると、『関の兼春が、室町後期に三河国薬王寺に移住したのが始まりで、その子助次を筆頭に、 代表工には助長、助吉、兼助などがおり、直刃や互の目乱れの作がある。薬王寺とだけ切った作には、末相州風の出来もあるが、総じて作品は少ない。』とあるように、現在の愛知県岡崎市を中心に活躍し、『薬王寺』という寺院に関係、銘に『薬王寺』と切ることなどは知られていますが、現存品が少なく、不明な点が多いのが現状です。
本作は、地刃に少し鍛え肌もありますが、特別保存がピシッと付いた真面目な作、今後の研究によっては、薬王寺鍛冶として認められる可能性を秘めた珍品です。