刀 飛騨守藤原氏房
(ひだのかみふじわらのうじふさ)
Katana:Hidanokami Fujiwarano Ujifusa
新刀・尾張 江戸初期 業物 拵え付き(拵えに保存刀装具鑑定書付き)
特別保存刀剣鑑定書付き
刃長:68.2(二尺二寸五分) 反り:1.7 元幅:2.86
先幅:1.99 元重ね:0.65 先重ね:0.48 穴1
打ち刀拵え(江戸末期 全長97 柄長22.2 鞘 黒石目 下げ緒黒 こじり、四分一研磨地無文 柄 親鮫に黒柄巻 縁頭、赤銅魚子地高彫色絵、珠追い龍図 目貫、赤銅容彫、鯰の図 鍔 鉄地丸形地透 雲に雁の図)付き。
【コメント】
飛騨守氏房は、永禄十年、若狭守氏房の嫡子として美濃関に生まれ、十一歳で織田信孝(信長の三男)に仕えました。数年後、岐阜で鍛刀していた父若狭守と共に尾張清洲へ移り、天正十六年頃から父の元で本格的に鍛刀を学び、父没後は、初代信高に師事したと伝えています。天正二十年、関白豊臣秀次より飛騨守を受領、慶長十五年に名古屋城下へ移住、寛永八年、子の備前守氏房に家督を譲り、同年十月、六十五歳で没。
活躍期は天正末年から慶長末年頃までとされていますが、年紀作はほとんど見られません。
本作は、寸法二尺二寸五分、均整の取れた上品なスタイル、地刃健全で大きな欠点もありません。
地沸が強く、飛び焼き風の湯走りが多数見られ、焼き刃は、同工の典型的な作域を良く示しており、刃縁がやや沈み勝ちに締まった感じは良く斬れそうです。
刀には特別保存、付属の時代外装にも保存刀装具鑑定が付いた真面目な飛騨守氏房です。