刀 九州肥後同田貫上野介
(きゅうしゅうひごどうたぬきこうずけのすけ)
Katana:Kyushu Higo Doutanuki Kouzukenosuke
古刀・肥後 安土桃山期
特別保存刀剣鑑定書付き
刃長:70.3(二尺三寸二分) 反り:2.0 元幅:3.32
先幅:2.48 元重ね:0.76 先重ね:0.59 穴2
【コメント】
同田貫一派は、肥後熊本の戦国武将、加藤清正の抱え工として、室町最末期から江戸初期に掛けて活躍した鍛冶集団で、肥後延寿派の末裔に当たります。
特に『文禄・慶長の役』と呼ばれた朝鮮出兵に於ける一派の活躍は目覚ましく、明軍、朝鮮軍兵士は、同田貫刀の凄まじい斬れ味、破壊力に驚愕し、戦意を喪失したと云います。今や『最強の実戦刀=同田貫』のイメージを不動のものとし、その人気に陰りなど微塵も見られません。
本作は、そんな一派の棟梁である正国(上野介)の自信作です。
正国は、小山上野介信賀と言い、左馬介とも称し、初期は国勝とも名乗っています。後に加藤清正より『正』の字を賜り、正国と改めました。
銘は『九州肥後同田貫藤原正国』、『九州肥後同田貫上野介』などと切りますが、大半は上野介銘になります。
活躍期は、天正から慶長末年頃まで、慶長十八年に没したと云います。
本作は、寸法二尺三寸二分、反りやや深め、大切っ先の豪快な一振りで、元先身幅、重ねガシッとした、典型的な慶長新刀スタイルを示しています。
湾れ互の目調の刃取りで、小互の目、小乱れ、小丁子風の刃を交えた焼き刃は、刃沸強く、やや沈み勝ちとなり、刃中小足、葉が間断なく入って、金筋、砂流しが頻りに掛かっています。
地に少し荒れた箇所があり、茎がやや荒れ模様ではありますが、地刃健全、姿強く、ズシッとくる重量感等々、同田貫刀らしさが全面に出た一振りで、特に迫力のある大帽子は、焼きも深く烈しく見事です。
清正公より、『折れず曲がらず同田貫』、『兜割り正国』などの賛辞を送られた同田貫上野介による世界最強の実戦刀です。